極悪彼氏
シャワーを浴びて静かに部屋に戻ると、コタローはベッドでケータイをいじってた。



寝てないじゃん…。



「期待に沿えなかったみたいだな」

「そうですね…」

「なんなの?お前のベッド」

「何が?」

「夢羽くせぇ。寝れるわけねぇ」



起きあがったコタローが近づいてきて腕を掴んだ。



そのままベッドに押しつけられて。



「限界。食わせろ」

「ちょっ、ウソ…でしょ?」

「こうなりたくなきゃ俺をヒヨコ小屋に入れねぇことだな」

「もう遅い!!」

「わかってんじゃん、諦めろ」



コタローの手に掛かればあたしなんか本当に小さなヒヨコ。



ピヨピヨ言って抵抗したってオオカミさんは気にせずパクリと食べてしまう。



あたしも正気をどこかにやってしまいそうで。



コタローに必死で着いていく。



だけどコタローの気持ちよさそうな顔はとてつもなく好き。



だからあたしもコタローを求めてしまう…。



あたし、この人のためなら…なんだってできる。



そんな気がした。



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