極悪彼氏
【琥太郎】



夢羽ってたまらなくカワイイと思う。



俺が夢羽を好きだからとかじゃなく、一般的に見たら絶対カワイイ。



俺の服をギュッと握り、潤んだ目で見上げて。



「もう…ムリ…。あたしっ…コレ以上イケない…」



間違った。



イケないじゃなく行けないだ。



夢羽が来たいと言ったお化け屋敷に1時間並んだ。



その結果がコレ。



まだ半分だろ。



「俺、走ろう…」

「ヤダ!!ごめんなさいっ!!なんでもしますから一緒にいてください…」

「今の忘れんなよ」

「こ、言葉のあや!!むしろウソっ!!夢羽ちゃんなんにもしな~い」

「あっそ。じゃあひとりで行けよ」

「ごめんなさい~!!コタロー様~!!頼むから一緒に行ってください…」



わかればいい。



お前は俺がいなきゃなにもできねぇヒヨッコだ。



せいぜい俺の下でもがけ。



「怖いよぉ~…」



ヒヨコに絡みつかれたままお化け屋敷を攻略した。



< 211 / 480 >

この作品をシェア

pagetop