極悪彼氏
予想通り、リクはOKを出した。



どうやら金持ちらしく、リクんちの親も行くとか。



「うちのパパとママも行くって言い出したんだけど」

「別に不都合はねぇ」

「パパ、コタローのこと敵視してるよ?」

「関係ねぇだろ」

「先に謝っとく。パパがごめん」



あの現実をみない父親か。



まぁどうにかなるだろ。



ってか何旅行だよ。



そして当日、車で迎えに来た夢羽のオヤジ。



「久しぶり、コタちゃん」

「ご無沙汰してます」

「仲良くやろうね~」



顔がひきつってる。



これはきっと夢羽がなんか言ったんだろう。



夢羽がいる後部座席に座るとオヤジさんとミラー越しに目が合った。



うわっ…想羽さん…。



あの目つき…想羽さんがケンカ始める前の目だ…。



余計なことをするなと言ったとこか…。



見なかったふりをして窓に目をやった。



「コタロー、ヤンキーに見えねぇな」

「でしょ?見た目がいいって得だよね~」

「あたしなんかどこ行っても元ヤン扱いだ」



夢羽の母ちゃん、言葉遣いから改めろよ。



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