極悪彼氏
最後には笑ってたママに怒られなかったことをホッとして、また枕に顔を押しつけた。



あの後、カワイイ顔のふたりに解放してもらった。



理由は『冷めちゃった』ってだけ。



思ってたより優しそうな人たちだったけど…。



あたしの中のコタローはもっと柔らかい人だった。



あの人、笑ったりするんだろうか…。



お兄ちゃんってあんな怖い人と友達だったのね…。



あの世界の中心だったんだよね…。



あたし、何がしたかったのかわからなくなって来ちゃった…。



コタローに会って…お兄ちゃんが最後まで気にかけてたことをやりたかった。



なのにあんな簡単に拒否されちゃうと心が折れる…。



はぅぅぅぅ~…。



お風呂にでも入ろう…。



溜めた湯船に入り、滅多にはずさないネックレスを握りしめた。



お兄ちゃんの見た景色って、ダークだね…。



本当に怖かった…。



でもまだ入学1日目!!



こんなんでめげてちゃダメだ!!



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