極悪彼氏
お兄ちゃんがいなくなった家で明るくしなきゃって思ってた。
お兄ちゃんの分まで賑やかにしなきゃって。
そういうの、ちょっと疲れたのかも…。
「なんかあったのか?」
「な~んにも言わないで。こうしててほしい…」
「意味がわかんねぇ」
「お兄ちゃんのこと思いだしちゃっただけだよ」
「…………そうか」
それ以上何も聞かず、コタローは抱きしめててくれた。
本当にあたし、泣かなかったな…。
コタローが泣いた時は泣けたのに…。
「海行く」
「えっ!?」
「デート」
コタローなりに気を使ってくれたのかも。
強引に手を引っ張られて砂浜に出た。
引っ張ってるだけでも、周りから見たら手を繋いでるみたいに見えるかもしれない。
それがあたしには心地よかった。
「デートじゃなくて散歩じゃない?」
「俺はいなくなったりしねぇ」
「コタロー…?」
「想羽さんと俺は違う。俺はお前のそばにいる」
溶けちゃうかと思った。
お兄ちゃんの分まで賑やかにしなきゃって。
そういうの、ちょっと疲れたのかも…。
「なんかあったのか?」
「な~んにも言わないで。こうしててほしい…」
「意味がわかんねぇ」
「お兄ちゃんのこと思いだしちゃっただけだよ」
「…………そうか」
それ以上何も聞かず、コタローは抱きしめててくれた。
本当にあたし、泣かなかったな…。
コタローが泣いた時は泣けたのに…。
「海行く」
「えっ!?」
「デート」
コタローなりに気を使ってくれたのかも。
強引に手を引っ張られて砂浜に出た。
引っ張ってるだけでも、周りから見たら手を繋いでるみたいに見えるかもしれない。
それがあたしには心地よかった。
「デートじゃなくて散歩じゃない?」
「俺はいなくなったりしねぇ」
「コタロー…?」
「想羽さんと俺は違う。俺はお前のそばにいる」
溶けちゃうかと思った。