極悪彼氏
コタローからそんな真面目なセリフ、聞いたことない…。



さっきまでは寂しかったのに、今は嬉しくて泣きそう…。



「泣くなよ、めんどくさいから」

「泣かないよ!!大好きっ!!」



腕に抱きつくとコタローは得意げな顔。



お兄ちゃんはいなくなったけど、ちゃんとコタローに出会わせてくれたんだね。



あたしもコタローに救われた気がする。



ありがとう、お兄ちゃん。



「ヤりてぇ…」

「外です」

「帰ったらな」

「ムリだよ!!ママ達いるもん!!」



睨まれたっ…。



本気ですよこの人…。



暗い海辺をふたりで歩き、しばらくして別荘に戻った。



「逢い引きっ!!夢羽をそんな娘に育てた覚えはないんですけど~…」

「超お酒くさい…。寄らないで」

「パパはこんなに夢羽ちゃんを愛してるのにっ!!冷たいなぁ~…」

「リクちゃ~ん!!一緒にお風呂入ろう~!!」

「パパは無視!?夢羽!?」



うるさいなぁ…。



でも…パパの楽しそうな顔はやっぱりみれてよかった。



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