極悪彼氏
弱い部分は抱きしめたくなる。



小さなあたしが大きなコタローを。



だけどコタローはあからさまに甘えてきたりしないから。



あたしが甘えることにする。



「お部屋行こう」

「続きは?」

「部屋で見る~」



コタローと一緒に自分の部屋。



ふたり掛けのローソファーに座るコタローの前に座って、無理矢理コタローの腕をお腹に持ってきた。



後ろから抱きしめられてるみたぁい!!



超幸せ…。



「熱い…」

「ヤダ!!このままでいいの~」

「ワガママ」

「いいの。はい、続き見るよ~」



コタローが少しでも安定するなら、あたしはコタローにくっついてたい。



どうにかなってくれたらいいんだけど…。



「コタちん、小さい頃の京太郎さんとの思い出ってある?」

「ん~、昔1回旅行行った」

「どこに?」

「韓国、タイ、アメリカ、イタリア、スイス、インドネシア」

「はい!?」

「1ヶ月、なんか知らないけど日本から離れた」



なにそれ…逃避行…?



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