極悪彼氏

次の日、あたしはひとり、あの教室の前に立っている。



コタローに会いに来たの。



「ムー？お前なにしてんの」

「カケル!!びっくりした…。カケルこそ何してんの」

「俺は小田切さんに挨拶しに来た」

「知り合いなの!?」

「先輩だったし。他の派閥に入って敵に回したくもねぇからな」

「ヘタレだね、あんた…」

「ヘタレって言うな!!」



カケルはコタローの知り合いだったのか…。



ハゲ…ヘタレ…いいとこないね、カケル…。



「ムーこそなんでここに？」

「コタローに会いに来たの」

「小田切さんに!?」

「行くよ、カケル」



昨日より気が楽なのはカケルのおかげ。



どんな反応されるか怖いけど…頑張る!!



「あれ…？いないじゃん」

「あっ、もしかして…」

「何？」

「生意気な後輩を黙らせに行ったのかな」

「それってケンカ!?」

「ケンカじゃねぇだろ。一方的だ。しかも無差別」

「そんな…」

「小田切さんはそういう人だよ」



ウソだ…。