極悪彼氏
あたしが知ってるコタローはそんなことしない…。



そんな極悪人じゃない!!



カケルに言われて一緒に屋上に向かった。



「なんで屋上?」

「広いし教師から見えねぇしな」

「物知りだね、カケル」

「一応それなりに情報はな。ってかここ入る前に知っとけよ」



知らないもん。



同じ中学から来た人もいないだろうし。



本当にひとりぼっち。



屋上に着き、カケルがドアを開けるとそこにあったのは無惨な光景。



20人くらいが転がってて、1年生らしき男が殴られてる。



「わぁ!!ハゲルだぁ~!!」

「ツキさん、カケルですってば…」

「何しに来たの?やられる側?」

「違いますよっ!!小田切さんに挨拶に」

「あっ、昨日のコ…」



カワイイ顔の先輩がカケルに駆け寄ってきた。



正直、あたしはどんな顔をしたらいいのかわからない。



そのコタローはフェンスにもたれて一方的な暴力シーンを眺めていた。



近寄れない。



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