極悪彼氏
【琥太郎】



俺の前で土下座するタメのヤツふたり。



裏切り者はタメだったか…。



「気づいたんだ、間違ったことしたって…」

「3年がマジで捕まって…正直ビビった…」

「もう絶対やんねぇから!!」

「間違いはおこさねぇ…」



いろんなとこに転がってる誘惑。



自分が落ちた時に救いの光のようなものを見つけたら、その光に歩いて行くかもしれない。



その気持ちはわからなくはない。



だけど俺はそ~んな広い心は持ち合わせてねぇんだよ。



「もう裏切ったりしねぇから!!俺らをここに置いてくれ…」

「…………へぇ、好きにすれば?」

「えっ…?」

「別に俺が声かけて集まったわけじゃねぇし。抜けたいなら抜けりゃあいい」

「抜けたくねぇ!!お前が言ったことは正しいってわかったんだ…」

「だから?」

「これからも…」

「仲良くする気はねぇ。お前ら信用ねぇからな。バカやって落ちたならそれはテメーの人生だろ」

「小田切っ…」

「それでも着いてくんなら好きにしろ」



だけど俺はお前らに心は開かない。



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