極悪彼氏
目が合った夢羽はプイッと顔を逸らした。



ヤバいと思ってんなら初めから逃げなきゃいいのに。



「バカか」

「授業出ないとわかんなくなるんだもん!!」

「教えてやる」

「コタの宇宙語じゃテレパシーでもなきゃムリだから!!」

「勉強してなにになるつもりだよ」

「えっ…?夢とか?特になにも考えてないけど…」

「お前の将来、主婦。俺んちで死ぬまで働け」

「なっ!?」



だから夢羽は勉強なんかしなくたっていい。



一生抱き枕。



黄色いヒヨコが赤くなってる…。



「小田切、それはプロポーズか?」

「あ?」

「先生だってまだ誰にもそんなこと言ったことないぞ~。恥ずかしいヤツだな」



プロポーズ…?



それって俺と夢羽が結婚すんのか?



じゃあ俺と夢羽は家族…。



「それいいな…。お前、俺の嫁になれ」

「あっ…コタロー…?意味わかってんの?」

「なにが」

「結婚って夫婦になるんだよ?」

「夫婦…よくわからん。想羽さんと渚さんみたいだな」

「ダメだこの人…」



夢羽と家族か…。



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