極悪彼氏
家族って何なのかよくわかんねぇけど、ゲンジんちは暖かいだろうし。



結婚って何歳でできんだ?



「帰る」

「はい!?」

「法律の勉強したくなった」

「えっ…?なに言ってんの?」

「じゃあな」



家に帰る途中、本を山のように買ってきた。



わかりやすいのから小難しいのまで。



「おかえり~!!なに?それ。弁護士にでもなるの?」

「なんねぇ」

「じゃあなんで法律の本…?」

「ヒマつぶし」



読めば読むほどおもしろくて、気づけばメシも食わずに深夜だった。



オヤジは仕事に行ったのか、姿がない。



「飽きた…」



とにかく18にならなきゃ結婚はできないらしい。



よくわかった、俺はまだ結婚できねぇ…。



買った本を片づけ、風呂に入って寝た。



次の日、夢羽を迎えに行くといつもは外に出てるのにいない。



「おはよ」

「コタローか。夢羽ならまだ寝てんぞ~」

「学校」

「休むんじゃねぇか?」



何でだ?



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