極悪彼氏
そんなこんなで夢羽母がやる気を出してしまった。



まだ先だしな…。



昼間で夢羽をそっとしとくと、自ら目覚めて起きてきた。



「カラダ熱いよぉ~…」

「軟弱なヤツめ。メシ食えっか?」

「食わない…」

「病院行くぞ」

「寝てるから!!ヤダですよ母様…」

「明日下がんなかったら行くからな」

「うん…。コタちゃんまだいるのか…、ごめん寝る…」



水分を摂取しただけでまた部屋に行ってしまった。



病院嫌いなのか…?



「何で病院行かねぇの?」

「ガキの頃から苦しむ想羽のこと見てたしな。夢羽にとって病院ってとこは痛いとか苦しい場所なんだよ」

「へぇ~…」



ヒヨコの弱い部分…。



初めて知る夢羽の弱さはトラウマ的なもので。



「昼メシ食え、コタロー」

「食う。うまそう」

「お前カワイイ。あたしは好きだよ、コタロー」

「娘の彼氏を好きになるのは禁断っス」

「そういう意味じゃねぇよ!!息子っぽいって言ったの」

「いただきます…」

「照れんなよ~!!」



今の俺は満たされてる。



今日、この家がたまらなく好きになった。



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