極悪彼氏
リクちゃんがチワワに会いたいとうるさいので、久しぶりにふたりでコタローのとこにやってきた。



「リクだ」

「マジだ、リク」

「なんか久しぶり~」



女はあたしと美菜さんくらいしか入れないここに、リクちゃんが来るのは珍しいから。



ほかの人は来てもシカトされるのがオチ。



「お手」

「殺す」

「ウソウソ!!久しぶり、イズ」

「最近見なかったけど?」

「朝起きれなくて面倒だから来なかった」



このふたりの距離ってどうなってるんだろ…。



見た感じ、女なんか商品としか思ってないイズさんも対等なんだよね~…。



結局リクちゃんの気持ちも聞けずじまいだし…。



「コタちん、このふたりってどうなの?」

「知らねぇ。お前バカじゃねぇの?」

「なにが!?」

「背中にそんなもんつけて」



なに!?



コタローが背中に貼ってあった紙を取ってくれた。



『彼氏募集中』



「こんな幼稚なことすんの誰!?」

「彼氏募集してんのか」

「してるわけないでしょ!!」



気付かなかった…。



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