極悪彼氏
腕を離して引き寄せると、シクシク泣いていて。



強引だった気がする。



俺が言ったこと。



だけど、俺が欲しいのはなにがあっても揺るがない信頼だ。



ゲンジが俺を信じるみたいに、夢羽も俺を信じろよ…。



「あたしがコタローを信じたら…裏切らない?」

「裏切んねぇ」

「じゃあ信じる…」

「まず嫌いって言ったの謝れ」

「ごめんなさい…」



頭を撫でると抱きついてきて。



カワイイヤツ…。



じゃ、最近放置してたからいただきますか。



ベッドにカラダを寝かせると丸い目がさらに丸くなった。



「なにしてんの…?」

「ヤんの」

「ダメだよ。今から髪染めに行くんだから。1ヶ月前から予約してたんだからね」



マジかよ…。



多少プリンな髪を見て行かせることにした。



食いそこねた…。



夢羽がいなくなった家で夢羽の母親とコーヒータイム。



「あんた、メシ食ってく?」

「うん」

「今日渚が来るから」



えっ…?



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