極悪彼氏
約3年ぶりの渚さんとメシを食った。



夢羽をあまり泣かせるなと釘をさされて。



帰りは俺が渚さんを送ることに。



近くのアパートにひとりで暮らしてる渚さん。



「ありがとな、琥太郎」

「ついでだし」

「なんか琥太郎に会ったらあたしも前に進めそうな気がしてきた」

「どんな意味?」

「ガキは早く帰って寝ろ。コタ、またな」

「またね、渚さん。今度あの卵焼き食わせてね」

「あははっ!!いつでも!!」



会えてよかったんだと今気付いた。



想羽さんがいなくなって、渚さんにも会えなくなって。



夢羽に出会い、また渚さんに笑って会えた。



この先、渚さんに何かあったら俺が力になるから。



今までごめん。



俺も前に進むって決めた。



夜空を見上げ、久しぶりに目に熱いものがこみ上げた。



でも泣いたりしねぇよ?



想羽さんに怒られる。



もうなにも怖いもんなんてねぇ。



俺は今大事な人達を全力で守る。



それでいいよな?



想羽さん。



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