極悪彼氏
眉間にシワが寄ったコタロー。



慌てた先輩は釘を持ってきた。



「これで看板を…作ったりする…?」

「…………する」

「じゃ、じゃあ任せたから!!あの板を3枚つなげてほしいんだ!!」



もう一生見れないかもしれないコタローの作業姿です!!



長細い木に薄い板をくっつけるという誰でもできそうなこと。



「あたしもやろ~っと」

「やめとけ、ケガすんぞ」

「昔よりマシだから!!」



どうやらあの女もやるらしい。



あたしは見てるだけ。



コタローの隣に座り、意外と手際がいいコタローの大工さんを見ていた。



「ウギャッ!!痛いっ!!」

「だから言ったろ…」

「今のはちょっと手元が狂っただけです~。釘くらいちゃんと打てる…ダゥッ!!お、折れたかも~!!」

「もうやめとけ、モコ…」



なんか…イメージと違い過ぎるんですけど…。



釘じゃなく手を打つ姿は滑稽すぎて笑えないほど。



「コタロー、なんなの…?」

「モコは稀に見る不器用人間だ」



納得…。



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