極悪彼氏
その後は嬉しそうなコタローが一気食い。



あたしの自由なんてすぐに奪われて。



残ったものは温いダルさとポカポカの心だ。



「コロッケ、食いてぇんだけど」

「作れない~…」

「自分で誘ったくせに何甘えてんだよ。風呂入ってくっから作っとけよ」



スパルタ~…。



そりゃああたしから誘ったようなもんかもしれないけど…。



あたしはコタちんの家政婦じゃないんだからね~…。



ダルさの残るカラダを起こし、またコロッケを作り始めた。



意外と簡単なコロッケは、コタローがお風呂から出る時には揚げる前まで完成。



味噌汁は適当に野菜を切ったヤツ。



いい感じだと思うんだけど…。



「夢羽サイズのコロッケだな…」

「手が小さいから!!大きく作れないんだもん!!」

「腹減ったから早くしろよな」



自分勝手な人!!



初めての揚げ物はビクビクしながら。



大惨事にもならず、たまに焦がしたくらいで作り終えることができた。



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