極悪彼氏
夢羽がいい顔するわけねぇだろ…。



「空気読めよモコ…。夢羽んちだぞ…」

「だってあたしムーちゃん好きだもん。それに空気読めとか、コタに言われたくないし」



俺が空気読めねぇヤツだって言ってんのかよ。



失礼なヤツだな、モコ。



結局モコも夢羽の家に行くことになった。



モコを連れて夢羽の教室に迎えに行くと、あからさまにいやな顔。



「ムーちゃんちにご飯食べに行くことにしたから」

「ヤダ!!」

「お母さんに了承得たし~。早く行こう~!!」

「コタバカ~!!あの人嫌い!!」



知ってるって。



でもどうすることもできん。



モコは友達だ。



「諦めろ」

「コタローはあたしとイチャイチャできなくてもいいんだよね?」

「あ!?」

「せっかくふたりでイチャイチャできると思ったのになぁ~」



何言ってんだヒヨコ。



俺がそんな生温い誘惑にだまされるわけねぇだろ。



それに、お前んちに行ったらあのクソオヤジがいてイチャつけねぇってわかってんだろうが。



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