極悪彼氏
そんなにモコが嫌いなのか…。



はっきりさせとくしかねぇな。



腕に夢羽が絡みついたまま先を歩くモコを呼び止めた。



「俺、お前が目の前でマッパになってもどうにもなんねぇ自信あんだけど」

「気持ち悪いこと言わないでよ琥太郎。何でコタの前でマッパになんなきゃいけないの?」



ってことだ。



モコはたぶん、感覚でいったら男友達。



「だから夢羽が嫌う理由がねぇ」

「わかった…」

「腹減った」

「帰ろっか、コタロー」



いまいち腑に落ちない顔で納得の言葉。



俺にはそれで十分だ。



両方大事だって意味は夢羽に伝わったらしい。



「あたし、実は引っ越してから友達らしい友達できなかったんだよね~」

「それはモコさんの性格に問題あるんです!!」

「言ってくれるね、ムーちゃん」

「本当のことだもん…」

「あの時はごめん。まさかあのコタローがここまで大事にしてるコだとは思わなかったの」

「別に…いいもんね…」



はい、和解成立。



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