極悪彼氏
大人になったな、モコ。



「琥太郎の彼女って、イメージ的にスレンダー美人じゃん?あまりにもかけ離れたヒヨコちゃんだったからつい」

「やっぱり嫌い!!お前帰れ!!」

「ヤダもんね~。あの美人なママのご飯食べに行くんだも~ん」



変わってねぇとこも多いけど、モコはバカじゃねぇ。



夢羽に対して何がタブーかってのをわかってるはずだ。



踏み込んじゃ行けないとこまで、ズカズカ上がり込むような女じゃねぇ。



着いた夢羽の家では鍋が用意されてた。



鍋なんて食った記憶がねぇ…。



「すき焼き~!!」

「夢羽好きだよな」

「大好き!!パパ来る前にお肉食べちゃおうよ。お腹すいた~!!」

「まだメシの時間じゃねぇだろ。ガキは宿題でもやっとけ」



すき焼きなんかテレビでしか見たことねぇな…。



食い方も知らねぇ…。



「琥太郎には珍しいよね?」

「あぁ…」

「パパ元気そうじゃん」

「知るか」



モコは俺のオヤジを知っている。



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