極悪彼氏
家が隣で仲がよかったからうちにも遊びに来てたし。



俺がひとりでいたことも、モコは全部知ってんだ。



「コタロー!!いっぱい食べようね!!」



そう言って笑顔を向ける夢羽に、今はひとりじゃないんだと実感させられる。



そんな夢羽を見て、モコは優しく笑っていた。



俺の安心材料。



今すぐ抱きしめてぇ。



「うわっ!!お友達はウェルカム我が家~!!」

「初めまして~。パパ超タイプ~!!何のお仕事してるの?」

「俺かい?地元密着の小さいハウスメーカーさ」

「まさか大工さん!?カッチョイイパパ~!!」

「ははっ!!大工じゃないけどね。カワイイコだね、君。だけどなんか霊的なものでも連れて来ちゃったのかな?あそこにお化けがいるよ」

「琥太郎が…?あははっ!!」



夢羽のオヤジの中から、ついにはこの世に存在すらしなくなったな…。



俺もあえて何も言わない。



めんどうは勘弁しろ。



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