極悪彼氏
想羽さんの妹とは思えないほど小さい。



「俺をどうしてぇんだよ」

「お兄ちゃんが…最後までコタローを心配してたの…」

「心配?」

「俺が面倒見てるクソガキが…生きて行けるかって…」

「生きてんじゃねぇか。満足だろ」

「違う、違うよ…。やっとまともになったのに、俺がいなきゃコタローは…死んじゃうかもって…」

「だから生きてんだろうが」

「楽しい?」

「楽しいね。好きな時に好きな女抱いて、ケンカして。生きるも死ぬも自由」



それを教えてくれたのは想羽さん、あんただろ。



俺はちゃんと生きてんぞ。



「じゃあどうしてあたしを拒絶するの?」

「興味ねぇからだろ。俺はお前みたいな色気のねぇガキに欲情しねぇ」

「あたしがお兄ちゃん…鈴原 想羽の妹だからでしょ?」

「関係ねぇ」

「じゃあ…笑って渚ちゃんに会いに行ってよ」

「なぎっ…」

「出来ないなら、コタローは生きてない」



生きてない、生きてない、生きてない…。



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