極悪彼氏
痛みで顔が歪んでいくのを、俺は上から見下ろして。



「2度と俺に会いたくなんねぇようにしてやるよ」

「やっ…」

「気持ちよくなれると思うなよ?苦痛でもがけ」



噛みついた首。



強ばってるカラダ。



ブレザーのボタンを外し、シャツのボタンを一気に飛ばした。



露わになった肌とピンクの下着。



白い肌には無数の赤い痣ができていて、顔と同じだ。



「やめっ…ヤダっ…」

「今更だよな?ここに来た時点で、テメーに自由なんかねぇっ…」



想羽…さんっ…。



また喉の奥が痛くなった。



何でお前がコレを…。



本当に…想羽さんの妹なんだな…。



想羽さんは…最後までこれを持っててくれたのか…。



「えっ…?」

「似合わねぇ首輪…してんじゃねぇよ…」

「コタっ…」

「想羽さんっ…」



泣きたくなんかないのに、溢れて止まらない涙。



想羽さんが死んだと聞いた時から枯れたと思っていたのに。



あの時は泣きたくても泣けなかったのに…。



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