極悪彼氏
だけど俺には想羽さんと過ごした時間の方が短くて。



そっちが夢で、今の俺が現実なんじゃないかと…。



いつ死んだっていいって気持ちはやっぱり変わらない。



想羽さんがいなくなったこの世の中は、俺にはやっぱり暗いだけ。



ジュッとタバコに火を着け、着替えてるチビの姿を眺めていた。



その時、ガラッと開いたドア。



「あっ、ウソ…」

「ちがっ…」

「コタちゃんがコイツと!?ごめん、邪魔しちゃったね」



だから違うって!!



弁解しようとした時にはすでにドアが閉まっていて。



意味の分からない顔をしたままシャツのボタンを直すコイツ。



「勘違い…されたな…」

「どんな?」

「お前、今の自分どう思う?」

「えっ!?」



どうやらやっと気づいたらしく、顔から血の気が引いてった。



俺が学校の女を食ったとこで、大した話題にもなんねぇだろう。



だけど相手は昨日俺が拒絶したコイツ。



確実になんか言われてる。



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