極悪彼氏
だけど今はそんな気分にはなれないのです。



だって外にはカメラがたくさん。



家の中は安全だとわかっててもヤダ。



「外にいた人誰?」

「オヤジの事務所のヤツ」

「マネージャーとかっての?」

「違う。ってかどうでもよくね?」

「ちょっ…今日はヤダ…」

「いつならいいわけ?」

「べ、別荘!!」

「ゲンジとかいんだろ。夢羽、ダメって言う」

「言わないから!!」

「じゃあそん時まで我慢する…」



カワイイ…。



ちょっと拗ねたコタローの頭をギュッと抱きしめた。



「好きだよ、コタロー」

「うっせぇよ…。ムラムラしてんだからあんまり煽んな」

「でも好きなんだもん…」



逆に抱きしめられた。



何だかいつもより暖かい気がする…。



「どんなコタちんでも好きぃ…」

「ベタ惚れだな」

「今更気付いた?」

「マジで…お前俺のもんだからな」

「誰にもやんないって意味?」



コクッと頷いたコタローにまたきゅん…。



なにがあってもそばにいるって決めた。



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