極悪彼氏
今回は夢羽の母ちゃんが乗せてってくれる。



俺のことを心配してくれてんだと思うけど、あえて言わないとこが母ちゃんらしい。



「ありがとママ!!」

「別にお前らのためじゃねぇよ。修羽も今日は遅いみたいだしな」

「寂しくない?」

「あたしだってたまにはひとりで長距離運転したいの」



素直じゃなさすぎて何も言えない。



だけどありがたみは本当に感じた。



移動の車の中で、夢羽が誰かとメール中。



リクか?



「あのさ、コタ」

「なんだよ」

「カケルに彼女できたの知ってる?」

「なんかそんなこと言ってたな」

「騙されてんじゃないかな~…。クリスマスプレゼントに時計買ったんだって」



別に普通じゃねぇの?



クリスマスだし。



って、俺は何も用意してねぇけど。



「付き合ってからバッグと靴と財布と服、貢いでるんだけど」

「それ、騙されてんだろ…」

「全部高いんだよ!?そのために居酒屋でバイト始めちゃってさ…」



ハゲル、騙されてんぞ。



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