極悪彼氏
分かり合いたかっただけだと思う。



オヤジが俺をどう思ってるのかとか、オヤジにとって俺はなんなんだろうって。



全部夢羽がくれたもんのように思える…。



「いろいろと夢羽に世話になってんな…」

「どうしたの、急に」

「最近、生きてんの楽しいって思う」

「そうだね、楽しいね」

「夢羽…、絶対離さねぇからな」

「望むところです!!」



この笑顔が消えたら…。



そう思うとやっぱり怖くなる。



だけど今だけじゃなく、これから先もその不安とは戦わなきゃいけない。



そんなの重すぎて耐えられそうもねぇから。



深く考えないで、この先も一緒にいる。



「もう夕方か…」

「さすがに引きこもりはシラケるからみんなのとこ行こう」

「ん」



起き上がり、賑やかな広間に行った。



飲んでんのか。



「夢羽も飲め~」

「コイツはダメ」

「なんで?小田切さんって過保護だね」

「イズルと違って俺は優しいんだよ。クソリク」



夢羽には飲ませない。



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