極悪彼氏
まさか稼ぐって…京太郎さんと同じ道を行くってこと…?



今までそれで苦しんで来たのに…。



あたしのため?



自分を犠牲にするの?



「歩合じゃなく、月給プラス歩合だから生活はできると思うよ」

「なおさらやる」

「なら今の生活変えなきゃ」

「イヤだ。俺はこのままで行く」

「とりあえず社長に会いに行こうか」



ちょっと待って!!



まだデキたって決まったわけじゃないのに…。



「コタローっ!!」

「聞いてたのか」

「ウソでしょ!?」

「俺は俺のやり方でやる。お前は口出すな」

「でもコタローっ…」

「俺達はオヤジとは違う。お前は産んだガキ捨てんのか」

「そんなこと絶対しないっ!!」

「なら話は早い。俺たちはふたりだ」



ふたり…。



それは京太郎さんとは違うって意味…。



親はひとりじゃなく…ふたり…。



「学校も出る。お前も養う。俺、ちゃんとやる」

「はい…」

「お前は心配すんな」



その日、コタローは京太郎さんの所属する事務所の社長さんに会いに行った。



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