極悪彼氏
どんな話し合いをしたのかはわからない。



だけど電話でのコタローは心配いらないとだけ言っていた。



そしてあたしの病院。



「産婦人科…?まさかお前…」

「かも…しれないから…ママも一緒に来てください…」



ママとコタローとやってきた産婦人科。



妊娠8週目だと言われた。



赤ちゃんの白黒の映像を見た瞬間、急にこみ上げた愛おしさ。



生まないなんて考えられない…。



こんなあたしでも…母性ってものがあるみたい。



「夢羽…?どうだった?」

「すごく…小さかった…」

「マジか…。そっか…あたし、おばあちゃんになんのか…」

「反対しないの?」

「何があってもお前の味方でいるって、想羽と最後に約束したからな」



知らなかった…。



だからママは…いつもあたしの意見を優先してくれてたんだね…。



何も知らなくて、わがままばっかり言っててごめん…。



「産むぞ、夢羽」

「うん!!」

「気が重い。マジ、殺されそ…」



コタローのその理由、うちのパパ。



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