極悪彼氏
玄関を出て、戦いに向かった。



俺との戦い。



夢羽のため、子供のため。



俺は強くなって戻ってくるから。



「コタ、何泣いてんだよ」

「間違って…ねぇよな?」

「お前の選んだ道だろ?俺は信じてるよ」

「ゲンジっ…夢羽のこと…」

「わかってる。支えてやればいいんだろ?それと、若干の殺虫効果もプラスしといてやる」

「マジ…頭いてぇ…」



ひとりでいれなくて、ゲンジの家に泊まった。



酒のせいか、涙が止まらなくて頭が痛くなるほど泣いた。



もっと触ってくりゃあよかった。



夢羽と、そのガキに。



「写メ撮っとこう」

「やめろ、イズ…」

「だってもうこんなコタちゃん見れないじゃん!!」



イズルにマジで写メを撮られ、ツキトはなぜかガキの名前を考えだした。



俺が付けるんじゃない。



夢羽がつけてやるんだ。



「俺も子ども欲しいなぁ~」

「ツキトは相手からだろ」

「女嫌いだもん」



夢羽を支えてくれるコイツらのためにも…期待は裏切らない。



< 415 / 480 >

この作品をシェア

pagetop