極悪彼氏
コタローを信じてるからできること。



想太郎にはコタローがパパだって真実を伝えてる。



まだ会ったことのない父親に思いを馳せ、テレビにかじり付く。



「おわった…」

「15秒会えたじゃん」

「パパ、いつくる?」

「いつだろうね~。あっ、そうだ!!土曜日映画見に行こう!!」

「パパの新しいの!!パパ見て来る!!」



想太郎の宝物はコタローの写真集。



お兄ちゃんの仏壇の前でずっとコタローを見てる。



「ただいま」

「おかえり、ママは?」

「バーゲンやってるから買い物してから帰るって。想は?」

「いつもの」

「飽きねぇなぁ~…。そんなに尊敬しろって刷り込んだ覚えねぇのに…。想、おみやげ」



パパもすっかりおじいちゃんです。



お風呂はじぃじと入るのが日課。



そんな孫、じぃじの膝の上が大好き。



「パパの本?」

「2ページだけどね」

「ありがとう、じぃ!!」

「お前カワイイっ!!」



孫にメロメロです。



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