極悪彼氏
それから2年、半ば諦めが入り、コタローなんかどうでもよくなった。



5年も迎えに来ないし。



泣いて待つのはもうやめる。



「何してんの夢羽!!」

「来ない。もう…あたしなんて忘れたんだよ!!」

「だからって…」



ビリビリに破いたコタローのポスター。



いらない、これもこれも、全部いならい!!



「落ち着きなさいっ!!」

「もうヤダっ…」

「毎月振り込みはあるんでしょ!?」

「知らないよ!!見てないもん!!あたしが働いたお金で生活できるから。いらないんだよ、コタローの助けなんてっ!!」

「あんたが信じなくて誰が信じてやるの!!想が見てるよ」



大きくなった想太郎が泣きそうな顔であたしを見ていた。



あなたにはあたしがいるから。



寂しい思いはさせないよ。



愛情だけはたくさん注ぐからね…。



「パパ…可哀想でしょ、ママ」

「どうして?」

「お迎えに来るって約束したんでしょ?ママ、ウソつきは嫌いって言ってた」



迎えに来ないのはコタローなんだよ…?



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