極悪彼氏
子供部屋のチェストにオモチャをしまい始めた想太郎。



夢羽に睨まれてリビングへ出た。



「俺と一緒じゃねぇのかよ」

「今はコタローと想がうまく行くことが優先。コタと寝るなんて言ったら想太郎がヤキモチ妬くでしょ」

「ダメなわけ?」

「あたしと想太郎はずっとふたりだったんだよ?コタローにママ取られたって思ったら想の居場所がなくなる」



よくわからねぇ…。



とにかく今はすべてにおいて想太郎を優先してやれと、キツく言われてヘコんだ。



甘ったるい新婚生活なんて送れるはずもない。



夢羽を取られまいと、想太郎が夢羽にベッタリくっついてるから。



甘やかしすぎなんじゃねぇの?



「想、風呂入んねぇ?」

「ママと入る」



ちゃんと息子と向き合うことがこんなに大変だとは思わなかった。



オヤジの気持ちが今更わかる気がする…。



でも俺はオヤジとは違う。



「夢羽、コンビニ行くけど」

「お昼買ってきて!!キッチン片づかない」



想太郎とふたりになってみる。



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