極悪彼氏
ちゃんと話さなきゃ。



俺とお前の関係。



コンビニで昼メシと飲み物を買って、新居であるマンションの近くの公園に立ち寄った。



ベンチに座り、無意識に手にしたタバコ。



もっと小さい頃、喘息気味だったって夢羽が言ってたっけ…。



やめとくか…。



「ありがとな、想」

「何が?」

「産まれてきたことと、夢羽のそばにいてくれたこと」

「ママのそばにいるの、当たり前」

「そうか?」

「パパは僕とママのためにお仕事頑張ってたから一緒にいれなかったんでしょ?」



そう説明してたなんて知らなかった…。



無責任なオヤジだろ?



自分がちゃんと両足で立てるようになるまで、顔すら見せなかったんだから。



「カッコイイね、パパ。テレビと違うから、怖いけど…」

「俺が…怖いのか?」

「うん」

「そうだよな…。突然現れたオヤジが急に家族だもんな…」

「パパは、またどこか行く?」

「行かねぇよ。夢羽と想のそばにいる」



そう言ったら、唇を噛みしめ、ポロポロ泣き出した。



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