極悪彼氏
なんて愛おしい生き物なんだろう…。



会いたくて夢にまで見た俺のガキ…。



「想はパパ、嫌いか?」

「好きだもんっ!!」

「だったら仲良くしよう。俺もお前が大好きらしい」

「抱っこっ…して!!」



立ち上がって抱き上げた想太郎は軽かった。



まさか夢羽に似てチビか?



カワイイ顔しやがって。



「ママはお前のママだ」

「うんっ…」

「お前の大事なママは俺が守る。お前のことも、俺が守る。今までそばにいてやれなくてごめんな?」

「パパ…鼻水出た…」



なんだよソレ…。



急いで家に帰り、想太郎の鼻水を拭いた。



「泣いた…の…?」

「泣いてねぇよな?想は強い男だから簡単には泣かねぇよ」

「そっか、電子レンジと冷蔵庫と洗濯機が今から来るって連絡あったからご飯はまだ先でいいよね?」

「「腹減った」」



声がかぶり、夢羽は幸せそうに笑った。



この先何かあったら話し合おう。



もう寂しい思いはさせない。



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