極悪彼氏
初めてこんな笑顔を見た…。



熱のせいでもいい。



俺を見て、ちゃんと笑ってくれる想を心から愛おしいと思う。



熱い手を握ると、目を閉じた。



可哀想だな…。



こんなにチビなのにこんなに熱くなって…。



想太郎が寝てもその手を離せなかった。



「寝たの?」

「ん」

「疲れもあるのかな…。最近テンション高いし」

「あれで?」

「そうだよ。基本無口だもん。コタローと話せるのが嬉しいんだね」



そんなこと言われたら俺だって嬉しくないはずがない。



眠る想太郎の髪を撫で、無意識に頭にキスした。



この気持ちをどう伝えたらいいのかわからない。



でも会いたくて抱きしめたくて仕方なかった自分のガキがこれほどまでカワイイとは思わなかった。



「ヤベェんだけど」

「何が?」

「コイツがカワイすぎて舐め回してぇ…」

「あははっ!!コタローがパパの気持ちになってる!!」

「静かにしろよ、寝てんだから」

「ごめん。でもおかしくて」



過保護になりそうだ…。



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