極悪彼氏
それから風邪もよくなった想太郎と一緒に実家へやってきた。



夢羽は初めて会う姑にビクビクしてる。



「オヤジ、孫連れてきた」

「なぁぁぁぁ!!カッワイイ~!!初めまして、想君のおじいちゃんです」



やたらテンションの高いオヤジに想太郎は若干引いている。



そんなことお構いなしのオヤジは想太郎にハグ。



「ははははっ、初めましてっ!!鈴原 夢羽といいますっ!!」

「美咲です。鈴原じゃなく、小田切さんになったんじゃなかった?」

「あっ、そうだった!!職場でも旧姓のままなのでつい…」

「小田切になっちゃった者同士、仲良くしてね?」

「こっ、こちらこそ!!」



こっちはほっといても大丈夫だろう。



問題はこっち。



「じいさん、想にあんまり物与えんなよ?」

「なんで?」

「夢羽がそうしてきた。我慢させることも大事だって」

「でもじいちゃんって孫を甘やかすだけ甘やかしていいんだって」

「うちはダメ」

「ケチ~…」



まともに育ててやりてぇからな。



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