極悪彼氏
まさかそんなはずねぇよな。



想太郎は想太郎だ。



俺の一生をかけて、コイツらを守っていくから。



「見てんのかねぇ~?どっかで」

「覗き見、断固反対」

「本人に言え」

「霊感ないから見えないもん」



また来るよ、想羽さん。



次はもっと笑顔で。



墓参りが終わった足で夢羽の実家へやってきた。



想太郎が5年暮らした家だ。



恋しいだろうし。



「じぃ、来たよ」

「想~!!久しぶりだな!!お前がいないと寂しくて…」

「新しいじぃに会ってきた。テレビの人だったよ」

「そうか、喜んでただろ~」



久しぶりに会った孫にメロメロだ…。



コイツが歪まずに育ったのも、きっとこの人の力添えがあってのこと。



反対された時は本当にムカついたけど、今はちゃんと感謝できてる。



「コタロー、想太郎泊めていいか?」

「は?せっかく休みなのに」

「たまには俺にも堪能させろよ!!毎日枕濡らす俺の身にもなれ」



俺は5年濡らし続けたっつーの。



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