極悪彼氏
だけど落ち着いた表情を見せる想太郎をムリに連れて帰る気にもなれなくて。



着替えやらパジャマは置いてあるのでそのまま泊めることにした。



「久しぶりにふたりでデートでもしてこいよ」

「明日コタローが迎えに来るから」

「仕事、やめてもいいんじゃねぇの?想のそばにいてやれるし」

「それは考えてます…。じゃあママ、よろしく」

「はいよ」



5年で初めて想太郎と離れた夢羽はどことなく落ち着いてない気がした。



俺もやっぱり寂しい気がする。



「メシ…食いに行くか」

「うん…」

「想太郎は大丈夫だろ。たまには生き抜きってことで」

「うぅぅぅ~…」



夢羽とふたりでメシ。



昔と違うのは、夢羽が母親になった証拠だ。



すげー成長しやがって。



「オイ、俺のことも見ろ」

「想太郎にヤキモチ…?」

「あ!?」

「ヤバッ…、コタちん超カワイイ…」

「うるせぇから…。食ったら帰るぞ」

「5年ぶりに見た!!その顔っ!!」



楽しそうにしてんなよ。



ムカつくから今日は寝かしてやんねぇ。



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