極悪彼氏
席に戻る最中、好奇な目で見られたのは言うまでもない。



そんなあたしを待ってたのはお腹を抱えて笑うカケルだった。



「ファンキーだな!!」

「うるさいよ…」

「お前、頭イカレてんのかよ!!ぎゃははははっ!!女だろうが!!」



さっきも思った。



カケルはきっと笑い上戸。



あたしはちっとも楽しくない。



「あ~腹いてぇ…」

「ねぇ、この学校のトップって誰なの?」

「よくぞ聞いてくれた。ってか知らねぇ方がビビッけど」

「いいから教えてよ」

「小田切さんだよ」

「小田切…」

「今2年で、1年の頃にはこの学校のトップ。誰もあの人には逆らえねぇな」



その小田切とやらをつぶせばあたしがトップだ。



だけど身長148、細身の華奢なあたしには到底無理。



別にあたしはトップが欲しくてここに来たんじゃないの。



ある人に会いたいがためにここに入学した。



『夢羽、人生は1回死んだら終わっちまうんだ。そん時まで自分の本能のまま生きたら楽しいだろうな』



お兄ちゃん、あたしは自由に生きるから。



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