極悪彼氏
だけどその禁忌を犯したあたしをコタローは受け入れてくれたんだと思う。



「僕がコタちゃんを好きになったのは、同じ闇を抱えてると思ったから」

「闇…?」

「僕もツキも小さい頃から色々あったから。コタちゃんも僕たちと同じくらい歪んでる」

「歪んでますね、コタロー…」

「そんな僕だからわかる。コタちゃんにムーは…光りみたいなものかもしれないって」



あたしがコタローの光り?



あたしは何もしてないのに…。



「今のコタちゃんを壊すムーのことは気に入らないけどね」

「すみません…。そんなつもりないんですけどね…」

「だけど…コタちゃんがあんなに熟睡するのはムーがいるときだけだから。認めざるを得ないって気がするんだよね」

「前から思ってたんですけど、コタローって眠れないんですか?」

「寝ないね。むしろ眠れてない。病院からは薬もらってるんだけど飲まないしね」

「どうして…?」

「おかしくなりそうなんだって。眠りから覚めない感覚に陥るって」



よくわからない…。



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