極悪彼氏
静まりかえった教室に響くコタローの声。



「テメーら全員出てけ」



次の瞬間、名前も知らない人たちがいなくなった。



残ったのは名の知る人たち。



「やりすぎだ、コタ」

「あ!?」

「そんな細いカラダ、雑に扱うんじゃねぇよ」

「お前に関係あんの?」

「ねぇな」

「じゃあ出てけよ」

「朝から機嫌わりぃのはわかっけど、少し落ち着けよ」

「わかってんなら出てけっつってんだよ」

「はいはい、コタの言う通りにしてやるよ」



ため息をついたゲンさんがツキさんとイズさんを連れて出て行ってしまった。



残ったあたしとコタロー…。



怯んじゃダメ、言わなきゃ。



「昨日コタローの彼女があたしに会いに来たの」

「桜香が?アイツ…何考えてやがる…」

「別れてって言われたの!!あたし、コタローの彼女じゃないのに…。誤解解いて!!」

「何でだよ。めんどくせぇ」

「彼女でしょ?何で大事にしないの?」

「なんで大事にすんの?」



普通じゃないの?



< 68 / 480 >

この作品をシェア

pagetop