極悪彼氏
いつも楽しそうだったお兄ちゃん。



あたしはお兄ちゃんの見ていた景色が見たい。



そして、成し得なかったことをやり遂げたいの。



だからあたしは自分の殻をやぶることにしたんだ。



それがさっきの発言に繋がっている。



目立ってもいい。



友達なんかできなくたっていい。



あたしはお兄ちゃんみたいに強くなりたい。



騒がしかった入学式が終わり、それぞれが教室に入る。



カケルは2組らしく、あたしはまたひとりだ。



「さっきの女じゃん」

「ねぇねぇ、マジでトップ狙ってんの?」

「小田切さん相手にケンカ売ったわけ?」



そう話しかけてきたのは同じクラスの男。



見るからにバカっぽくて、おまけにチャラくて。



できれば関わりたくない。



「そんなことより、コタローって人探してるんだけど知らない?」

「えっ!?」



今までからかうように話しかけてきていた3人がポカ~ンと口を開けた。



次の瞬間、勢いよく開いた教室のドア。



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