極悪彼氏
次の日、想羽さんが同じのを買ってきたんだ。



それを俺に見せながらスゲー笑顔で言った。



『学校にバレた時庇ってやれなくて悪かったな。コレ、お前にやるよ』



同じのをふたつ持ってても仕方ない。



なので俺は想羽さんからもらったネックレスを着け、俺が生まれて初めて稼いだ金で買ったのは想羽さんが着けることになった。



そんなに高いモノでもないネックレスを、あの人は死ぬ時までし続けてくれていた。



欲しいと言われても誰にもやらなかったコレを、俺は外すことができない。



それは今妹である夢羽が持ってる。



何の因縁だ?



絶対想羽さん、上で笑いながら見てんだろ。



「お前、それは想羽さんにもらったのか?」

「そうだよ。指輪は渚ちゃんに、ネックレスはあたしに持ってて欲しいって」

「へぇ…」

「本当はもうひとつ形見があるの。でもずっと閉まってるんだ」

「意味は?」

「内緒!!」



想羽さんのもう一つの形見…。



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