極悪彼氏
何のために呼んだと思ってんだよ。



寝るためだろ。



夢羽のカラダに布団をかけ、俺も布団の中。



するとなぜか暴れ始めた。



「うるせぇぞ…」

「だってこんなの聞いてないっ!!」

「寝るっつってんだよ」

「彼女さんに悪いよ!!こういうのは好きな人とすることでしょ!?」



なんなんだよ。



マジでうるせぇしめんどくせぇな。



ダメだ、究極に眠い…。



まるで薬に頼ったみてぇに…。



「ちょっとコタロー!!」

「めんどくせぇから…俺のこと好きになれよ」

「えっ…?」



それがいい。



そしたら…一生抱き枕だ…。



プツリと途切れた意識。



一瞬で深い眠りに落ちたのか、夢羽が黙ったのか。



とにかく寝る瞬間のことは覚えてない。



普段見ない夢に出てきた想羽さんが笑っていた。



『頼みてぇのよ』

『なにを?』

『わかんだろ?』

『全くわかんねぇけど』

『鈍いよな~』



何が言いたいのかわからない。



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