極悪彼氏
どうやらカケルの頭は中学時代に遡る。
お兄ちゃんが生きていた頃、ある日コタローが楽しそうに学校に来たらしい。
何を浮かれてるのかと思えば、新しいおもちゃを見つけたと。
「髪がなくなるおもちゃだって、取り出したのがバリカンだったわけだ」
「それで?」
「俺が犠牲になった」
「…………」
「半泣きの俺に言ったんだ、『金髪にしろよ』って。その日のうちに染めた!!」
「で…?」
「次の日、小田切さんにその姿を見せたんだ。そしたら『ウケる。他のヤツと見分けがつくじゃねぇか』ってな!!」
それ、褒められてないよ。
それに似合ってるなんて一言も言われてないじゃんか…。
「よかったね…」
「だから俺の名前は呼んでくれんだぞ!!」
「よかったじゃん…」
「これが俺の生い立ちだ」
「よかった…ですね…」
カケルってとことんバカ…じゃなくて楽観的だな~…。
お兄ちゃんが生きていた頃、ある日コタローが楽しそうに学校に来たらしい。
何を浮かれてるのかと思えば、新しいおもちゃを見つけたと。
「髪がなくなるおもちゃだって、取り出したのがバリカンだったわけだ」
「それで?」
「俺が犠牲になった」
「…………」
「半泣きの俺に言ったんだ、『金髪にしろよ』って。その日のうちに染めた!!」
「で…?」
「次の日、小田切さんにその姿を見せたんだ。そしたら『ウケる。他のヤツと見分けがつくじゃねぇか』ってな!!」
それ、褒められてないよ。
それに似合ってるなんて一言も言われてないじゃんか…。
「よかったね…」
「だから俺の名前は呼んでくれんだぞ!!」
「よかったじゃん…」
「これが俺の生い立ちだ」
「よかった…ですね…」
カケルってとことんバカ…じゃなくて楽観的だな~…。