極悪彼氏
いつもの教室に行くんだと思っていた。



なのに連れて来られたのは2年生の教室。



「ヤダっ!!」

「あ!?」

「何でここなの!!」

「授業出っから」

「じゃああたしいらないっ!!」

「寝れねぇだろうが」



だってあたし1年生!!



コタローは授業に出ながら寝るって魂胆みたいだけどっ!!



「2年生からも恨まれるの、本当にヤダ~…」

「めんどくせぇな」

「ぬあっ!!」



か、担がれてるんですけど!!



コタローのこの強引さには誰も勝てないだろうな…。



静まりかえってる教室で、降ろされたのはいちばん後ろの席。



「イス持って来る」

「余ってないでしょ!?」

「余ってるに決まってんだろ」



そう言ったコタローは近くにいた先輩を見下ろした。



一瞬で蛇に睨まれたカエルさん状態。



「今からお前、保健室行くよな?」

「い、行く…かな…」

「だよな、腹痛そうな顔してるもんな。イス借りんぞ」

「どうぞどうぞ!!」



脅しですか…。



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