極悪彼氏
腹痛そうな顔ってどんな顔ですか…。



イスを持ってきたコタローはそれを並べて置いた。



隣にいるだけでいいの?



「コタローのおかげであたしの出席率もひどいんだけど」

「大丈夫だ」

「意味わかんない…」

「寝る」



何を考えてか、頭がおかしいのか。



あたしの手をギュッと握ったコタローに顔が熱い。



まさかこの状態で寝るつもり!?



「コタ…?視線が痛いんですけど…」

「うるせぇな…。抱きしめてぇの我慢してんだろうが…」



もうダメだ。



やっぱりコタローには勝てない。



後戻り出来ないくらい…好きになってしまいそう…。



「何なのアレ!!小田切君の方がベタ惚れじゃない!?」

「噂と違うじゃん!!」

「超羨ましい~!!」



先輩たちのそんな声が聞こえて俯いた。



あたし、コタローのこと好きになっていいの?



報われるの?



その後、始まった授業で先生に怒られたのは…当たり前だよね~…。



手を離して逃げたあたしが、次の日にコタローに1日拘束されたのはもう仕方がないと諦めました。



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