極悪彼氏
夜の倉庫。



徐々に集まってくる同年代のヤツらたち。



「琥太郎、久しぶり」

「梶ヶ谷さん…」

「ずいぶん集めたな~」

「まだこれからですよ」

「見せたかったよ、想羽に」



懐かしい人が来てくれた。



想羽さんがいちばん信頼していた人。



想羽さんたちとつるんでバカやってた頃の梶さんは髪も金髪で相当悪かった。



今は真っ黒な髪に顎髭。



スゲー大人になってる…。



「今、何してるんですか?」

「バカか。就活してんだよ。もう大学4年だぞ」

「そのヒゲ剃んねぇとムリっしょ…」

「相変わらず生意気だな、琥太郎は」

「見届けに来たんですよね?」

「おぅ、想羽の代わりにな」



一気にやる気が出た。



はじめ、この話を俺に持ちかけたのはゲンジだ。



想羽さんがやっていたチームを復活させようって。



1年前からずっと言い続けてて、俺は興味がなかった。



いや、興味がなかったってのは逃げるための言い訳。



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